忘れがちな日々

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セルフメディケーション税制が気になったので、メモを残しておく

 こんなツイがRTされてきて、気になったので厚生労働省のページを読んでみました。

www.mhlw.go.jp

セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)は、健康の維持増進及び疾病の予防への取組として一定の取組を行う個人が、平成29年1月1日以降に、スイッチOTC医薬品(要指導医薬品及び一般用医薬品のうち、医療用から転用された医薬品)を購入した際に、その購入費用について所得控除を受けることができるものです。

 「一定の取組を行う個人が」「スイッチOTC医薬品を購入した際に」「購入費用について所得控除」というあたりがキーワードになってくる模様。

 

●対象者
「健康の維持増進及び疾病の予防への取組として一定の取組を行う個人」ということで、定められた取り組みをしていないひとは、いくら対象のスイッチOTC医薬品を対象金額以上購入していてもこの控除は使えないのがミソのようです。

この税制を利用するためには、その方が、その年中に健康の保持増進及び疾病の予防への取組(一定の取組)を行い、確定申告書の提出の際に、当該取組を行ったことを明らかにする書類を添付又は提示する必要があります。

  • インフルエンザの予防接種を受けたひと(告示第2号)
  • もしくは、市区町村のがん検診を受診(告示第5号)
  • もしくは、会社の定期健康診断を受診(結果通知表に「定期健康診断」の記載があるもの/告示第3号)
  • もしくは、特定健康診断を受診(領収書や結果通知表に「特定健康診断」の記載があるもの/告示第4号)
  • もしくは、人間ドッグ骨粗鬆症検診を受診(結果通知表に保険者名の記載があるもの/告示第1号)
  • もしくは、特定保健指導を終了した場合、定期の予防接種(高齢者の肺炎球菌感染症の定期接種)も告示第1号扱い

人間ドッグや健康診断の注意として、全額自己負担のものは「一定の取り組み」には含まれないので注意です。あと、市町村が自治体の予算で住民サービスとして実施する健康診査も対象外とのこと。
要は、2017年1月から12月のうちに、なんらかの健康保険を使って健康診断を受けるか予防接種受けたひとってことになるのかな…、って思いました。

あと、チャートのいちばん上に「インフルエンザの予防接種を受けたひと」がデデーン!とあるので、この税制のキモはみんなインフルエンザの予防接種受けようぜ!になるのかな、と思ってみたり。

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●スイッチOTC医薬品とは?
まず「OTC医薬品」とはなんだろな、という話。

OTC医薬品とは? 上手なセルフメディケーション OTC医薬品協会

OTC医薬品(一般用医薬品):薬局・薬店・ドラッグストアなどで販売されている医薬品
英語の「Over The Counter:オーバー・ザ・カウンター」の略で、カウンター越しにお薬を販売するかたちに由来しています。

 主に医師が処方する医薬品である医療用医薬品とは違って、処方箋がなくても買うことができる医薬品のことですね。

では「OTC医薬品」に「スイッチ」をつけた「スイッチOTC医薬品」はなんだろな、となると。

スイッチOTC薬とは 薬検索 - gooヘルスケア

以前は医療薬であったものが、市販薬として薬局でも買えるように販売が許可されたものを、医療薬から市販薬(OTC)にスイッチされたということから「スイッチOTC」といいます。
医療薬でのみ使用が認められている成分のなかで、使用実績があり、比較的副作用が少なく、安全性の高い成分を市販薬にも配合したものです。
スイッチOTC薬は、その薬に含まれる成分の種類や濃度によって、スイッチされてしばらくの間は、薬剤師のいる薬局などでしか買うことのできない指定薬となります。

 医療用医薬品でのみ使用が認められていた「成分」のうち、実績があって安全性が高いものをOTC医薬品にも配合可能になって、ドラッグストアや薬局でも買えるようになったものが「スイッチOTC医薬品」になります。
どの「成分」が含まれているものが対象になるか、というのは決まっていてリストにもなっています。

http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10800000-Iseikyoku/0000124846.pdf

とはいえ、成分名で言われてもCMで連呼されてて頭に残りがちな文字列以外は呪文なんだよね…
購入時のレシートには「商品名、金額、セルフメディケーション税制対象商品である旨、販売店名、購入日」が記載されるから仕分けはできるらしいけれど、買ってから対象外だったりしたら控除目当てだと地味にショックなのではと思ったり(たぶん店頭で、「セルフメディケーション税制対象商品のスイッチOTC医薬品ください」と指定できるとは思うけども)

セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)について |厚生労働省

厚生労働省セルフメディケーション税制のページ、真ん中あたりの「2 セルフメディケーション税制対象品目一覧」にPDFとExcelで対象品目一覧があるので、日頃使っている薬が対象になっているかをあらかじめチェックしておくのもいいかもしれません。商品一覧は二ヶ月に1回更新予定、とのこと。

ちなみに、わたしがいちばんドラッグストアで買う確率の高いアレグラFXは対象商品でしたが、いちばん最近に服用した風邪薬は対象外でした。念のため商品一覧をGoogleスプレッドシートに突っ込んでみたので、出先でも確認できる安心感。

●控除を受けるには
「スイッチOTC医薬品」を2017年1~12月のあいだに、1万2千円を超えて購入した場合にその超える部分の金額(上限8万8千円)について控除が発生します。
この場合の「金額」は、実際に支払った金額となり「税込み後の価格」「○%引セールなどの場合は割引後の価格」になるので、ポイントで支払う等の場合も注意が必要かと。
念のため申請対象商品のみで購入(対象外商品と会計を別にする)、購入時のレシートに「商品名、金額、セルフメディケーション税制対象商品である旨、販売店名、購入日」があることを確認、確定申告のその日までレシートを大事に保管しましょう。レシートの再発行をしてもらえる場合もあるみたいですが、手間なので!まずは、失くさない!
たぶんいちばん大事な注意点として「従来の医療費控除と同時に利用ができない」とのこと。対象者自身でどちらを利用するか選択できるので、計算してみてどっちがお得かなーって決めることになるかと思います。

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あとは申請時に「一定の取り組み」をおこなったぞ証明として、領収書の場合は原本を、健康診断などの結果通知表はコピーした後「氏名、取り組みをおこなった年、保険者/事業者/市区町村名等、医療機関名称/医師名等」以外を黒塗りにして(たぶん個人情報保護のためだと思う)提出することを忘れずに。

●まとめ

  • 「スイッチOTC医薬品」を年1万2千円以上買っただけでは所得控除の申請はできないので、定期健康診断やインフルエンザの予防接種を受けて対象者になろう!
  • 「従来の医療費控除」と同時に利用ができないので、セルフメディケーション税制とどっちがお得になるか自分で選択しよう!
  • レシート大事、失くさないこと!